~年末調整(その1 定額減税編)~
令和6年度の税制改正により、令和6年分の所得税(令和6年分の個人住民税もあります。)において、定額減税が実施されることとなりました。
今月号では、年末調整における定額減税の取り扱いについてご説明したいと思います。
定額減税についてのあらましについては、N総合通信の令和6年4月号から6月号をご参照下さい。
1.定額減税の対象者
①所得制限あり
所得税は令和6年分、個人住民税は令和5年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は、給与収入2,000万円以下)で甲欄適用の納税者本人。
②国内居住者に限定
2.減税額
3.定額減税の実施(給与所得者で定額減税対象者
4.年末調整減税事務の手順
3、4 出典:国税庁 令和6年分所得税の定額減税のしかた
① 令和6年中の給与及び賞与の総額にもとづいて、通常通り年調所得税額を計算。
② 年調減税額の計算
年調減税額(※)=30,000円×(納税者本人+同一生計配偶者+扶養親族の人数)
※納税者本人の所得税額が限度となります。
③ 年調所得税額から年調減税額の控除を行い、年調減税額を控除後の金額に102.1%を乗じて復興特別所得税を含めた年調年税額を計算して、※過不足額の精算を行います。
※年調年税額と月々の給与及び賞与から徴収した源泉所得税の合計額を比較し、過不足額を精算。
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超過額の還付または不足額の徴収
5.源泉徴収票への記載
年末調整を終えた後の源泉徴収票では、摘要欄に「源泉徴収時所得税減税控除済額××円、控除外額××円」(年末調整で控除しきれなかった金額)と記載する必要があります。
年調所得税額から年調減税額で控除しきれた場合は「源泉徴収時所得税減税控除済額××円、控除外額0円」と記載します。
出典:国税庁 令和6年分所得税の定額減税Q&A
なお、控除外額がある場合のその後の追加給付(不足額給付)は各市区町村によって実施されるため、企業側での対応は不要です。
(年末調整の際の詳しい事務内容については、国税庁ホームページの「年末調整がよくわかるページ等」で随時掲載予定です。)
<追記>よくあるご質問内容のうち、定額減税制度における住宅ローン控除とふるさと納税への影響ですが、結論としていずれも影響しないこととなります。
ご不明な点や、もう少し詳しく知りたい点等ございましたら、いつでもお問い合わせください。
税理士法人N総合会計 中筋